日大医学雑誌

円錐切除術施行後の子宮頸部病変細胞像の推移とその臨床像

症例報告

著者

幾石 尚美1, 2)  出井 知子1, 2)  塚原  裕2)  橋村 尚彦2)
山本 樹生1)
1)日本大学医学部産科婦人科学講座
2)総合病院 厚生中央病院産科婦人科

要旨

若年女性の子宮頸部の初期病変に対し,円錐切除術は子宮の温存が可能な治療法であるが術後の再発・病変遺残も少なくない.当院で 11 年間に行った 204 例の円錐切除術症例では,術後に再切除・蒸散処置を施行した 9 例に術後の組織修復や化生性変化に異型を伴う細胞所見が多く観察された.術後のフォローアップで細胞診上又は組織上異形成が確認される場合でも細胞診標本に koilocytosis が混在している場合,再発に先行して観察される細胞形態学的特徴としてそれが重要な意味を持つものと考えられた.

keyword

cervical neoplasia, cytology, conization, koilocytosis, endocevical cell atypia
子宮頸部境界病変,細胞診,円錐切除術,コイロサイトーシス,子宮頸管腺細胞異型