症例報告

著者

渡邊　慶史　　高山　忠利　　井上　和人　　檜垣　時夫
荒牧　　修　　山崎慎太郎　　三原　良明　　渡邉　善広
井砂　　司1)　　佐々木健司1)　　杉谷　雅彦2)　　近藤　福雄3)
坂井　雄三4)　　松岡　俊一5)　　窪田　信行6)　　中田　泰彦6)
神野　大乗6)
日本大学医学部外科学講座消化器外科部門
1)日本大学医学部形成外科学講座
2)日本大学医学部病理学講座
3)社会保険船橋中央病院病理
4)社会保険船橋中央病院内科
5)みつわ台総合病院内科
6)みつわ台総合病院外科

要旨

C 型肝炎ウイルスによる非代償性肝硬変症の 45歳男性患者に対して，48 歳の実姉をドナーとして肝左葉を用いた生体肝移植を行なった．C 型肝炎の肝移植の最大の問題点は，術後高率に C 型肝炎が再発し，放置すれば肝障害が急速に進行することである．今回，術後 1 ヶ月目ころより血液中 HCV-RNA が高値となったが，肝炎再発を待たずに 71 日目から予防的にインターフェロンとリバビリンの投与を行った．重大な副作用も無くウイルスを陰転化させ，肝炎再発を 15 ヶ月間予防している症例を経験した．

keyword

LDLT, hepatitis C cirrhosis, interferon, ribavirin
生体肝移植，C 型肝硬変，インターフェロン，リバビリン