症例報告

著者

樋口　雄將　　三松　謙司*　　加納　久雄*　　久保井洋一*
小倉　道一*　　大井田尚継*
社会保険横浜中央病院臨床研修医
*社会保険横浜中央病院外科

要旨

71 歳，女性．平成 15 年 6 月，上行結腸癌で結腸右半切除を施行．吻合は手縫いで行った．病理は高分化型腺癌，H0, P0, se, ly1, v1, n (-), ow (-), aw (-), ew(-) の stage II であった．平成 17 年 7 月，回結腸吻合部再発を認め，吻合部切除術を施行，吻合は手縫いで行い，腸管切離断端の消毒を行った．病理組織結果は中高分化型腺癌，se, ly1, v1, n (-), ow (-), aw (-), ew (-) であり，上行結腸癌術後 2 年目の吻合部再発と診断された．本症例は吻合部再発の少ないとされている手縫い吻合を施行したにも関わらず，吻合部再発を認めた症例であり，吻合部予定粘膜に癌細胞の遺残があったと考えられる．この原因による再発を防ぐためにも腸管洗浄のさらなる工夫が必要だと考えられた．

keyword

colon cancer, recurrence of anastomosis, hand suture
結腸癌，吻合部再発，手縫い