頭蓋内内頸動脈血豆状動脈瘤の一例
症例報告
著者
近藤 裕子 重森 裕 高田 能行 村田 佳宏
加納 恒男 川又 達朗 片山 容一
日本大学医学部脳神経外科学講座
要旨
症例は突然の意識障害で発症した 48 歳男性.頭部 CT 上くも膜下出血が認められ,脳血管造影にて頭蓋内内頸動脈前壁に半球状の動脈瘤が認められた.血豆状動脈瘤の破裂によるくも膜下出血であることを想定し,発症から 3 日後に再出血予防目的に手術が施行された.術中所見にて内頸動脈前壁に血豆状動脈瘤が確認されたため,術式をネック・クリッピング術からバイパス併用下トラッピング術に変更した.本術式により再破裂に対する確実な予防効果ならびに十分な脳循環が確保され,術後患者の意識レベルは徐々に改善した.
keyword
subarachnoid hemorrhage, blood blisterlike aneurysm, trapping, bypass
くも膜下出血,血豆状動脈瘤,トラッピング,バイパス