日大医学雑誌

非浸潤性乳癌の画像

画像診断

著者

榎本 克久  天野 定雄  櫻井 健一
日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門

はじめに

乳癌は,年々増加傾向にあり,1998 年には,女性の癌のトップになった1).また,乳癌検診の啓蒙とともに受診者の増加も認め,乳癌に対する関心も高まりつつある.それに伴い,マンモグラフィや超音波検査における早期乳癌症例の発見も増加するものと考えられる.マンモグラフィは,石灰化病変の検出にはすぐれており,超音波検査は,腫瘤性病変の検出に有効である.現在では,多くの市町村において乳癌検診にマンモグラフィが導入されていることから,石灰化病変を伴う乳癌,特に非浸潤性乳癌の早期診断・早期治療が増加するものと思われる.しかし,超音波検査では石灰化や腫瘤像が検出できない症例が多いので,確定診断・治療方針には苦慮することがある.