原著

著者

久保井洋一　　大井田尚継　　加納　久雄　　三松　謙司
小倉　道一　　天野　定雄*
社会保険横浜中央病院外科
*日本大学医学部外科学講座乳腺内分泌外科部門

要旨

当社会保険横浜中央病院外科における過去 15 年の乳癌治療成績を報告する．対象は 1989 年 1月～2004年 12 月に当院外科で手術施行した初発乳癌 242 症例．年齢は 30～93 歳で，50 歳台が最も多く，平均 57.6 (±12.8)歳であった．手術術式は定型乳房切除術 27 例，胸筋温存乳房切除術 162 例，乳房温存手術 53 例．1990 年代初頭までは定型乳房切除術が中心であり，その後胸筋温存乳房切除術が中心となり，2000 年以降は乳房温存手術が急激に増加した．臨床病期別生存率は，Stage I における 5 年生存率 98.9%， 10 年生存率 98.9%， 15 年生存率95.0%， 5 年無再発生存率 97.7%， 10 年無再発生存率93.9%， 15 年無再発生存率 93.9%， Stage IIA における5 年生存率 95.9%， 10 年生存率 87.6%， 15 年生存率87.6%， 5 年無再発生存率 92.2%， 10 年無再発生存率 86.2%， 15 年無再発生存率 86.2%， Stage IIB における5 年生存率 89.0%， 10 年生存率 89.0%， 15 年生存率79.1%， 5 年無再発生存率 74.7%， 10 年無再発生存率74.7%， 15 年無再発生存率 66.4%， Stage IIIA における5 年生存率 92.3%， 10 年生存率 92.3%， 5 年無再発生存率 91.7%， 10 年無再発生存率 91.7%， Stage IIIB における 5 年生存率 88.9%， 10 年生存率 77.8%， 15 年生存率 46.7%， 5 年無再発生存率 82.5%， 10 年無再発生存率 72.2%， 15 年無再発生存率 43.3%， Stage IV における 5 年生存率 60.0%， 7 年生存率 22.5%， 5 年無再発生存率 50.0%， 7 年無再発生存率 0.0%で，良好な治療成績が得られた．

keyword

surgical treatment for breast cancer, overall survival rate, disease free survival rate
乳癌治療，累積生存率，無再発生存率