真菌症の免疫学的背景の多様性について
総説
著者
大圃 詩子 照井 正
日本大学医学部皮膚科学講座
はじめに
真菌は皮膚の角層や爪,毛に侵入し,様々な病型の真菌症を引き起こす.この皮膚真菌症の多様性は,他の感染症と同様に原因菌の感染力とそれに対する宿主側の反応の二つの要因によって規定される.宿主側の要因として種々の因子が挙げられるが,大別すると皮膚の解剖学的バリアと生理学的バリアに分けられる.後者として,T 細胞を介した免疫応答が真菌などの微生物の排除に重要であることが分かってきた.皮膚表在性真菌症を例にとり,真菌症の免疫学的背景の多様性について,またアトピー性皮膚炎と真菌アレルギーの関係について解説する.
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Trichophytin, Immediate hypersensitivity, Delayed-type hypersensitivity
トリコフィチン,即時型過敏反応,遅延型過敏反応