症例報告

著者

三原　良明1)　　高山　忠利1)　　荒牧　　修1)　　山崎慎太郎1)
渡辺　慶史1)　　加茂　知久1)　　金本　　彰1)　　森口　正倫1)
檜垣　時夫1)　　井上　和人1)　　渡辺　善広1)　　佐々木健司2)
根岸　七雄3)　　杉谷　雅彦4)　　根本　則道4)　　加藤　　実5)
小川　節郎5)　　吉田　省造6)　　白井　邦博6)　　丹正　勝久6)
原田　研介7)　　森山　光彦8)　　荒川　泰行8)
1)日本大学医学部外科学講座消化器外科部門
2)日本大学医学部形成外科学講座
3)日本大学医学部外科学講座心臓血管外科部門
4)日本大学医学部病理学講座
5)日本大学医学部麻酔科学講座
6)日本大学医学部救急医学講座
7)日本大学医学部小児科学講座
8)日本大学医学部内科学講座消化器肝臓内科部門

要旨

15 歳，女子．黄疸，浮腫，意識障害にて発症．腹部 CT 上，肝萎縮と多量の腹水を指摘され，他医より当院に転院．血清銅，セルロプラスミンの低下，尿中銅の増加より，劇症型ウィルソン病と診断．内科的治療に抵抗性を示し，転院後 3 日目に生体肝移植を緊急で施行．51 歳の母親をドナーとし，肝右葉 (750 g) を切除，同所性に移植した．術後は合併症なく 30 日で退院．きわめて予後不良な劇症型ウィルソン病を迅速な診断および肝移植により救命した．

keyword

fulminant Wilson’s disease, living related liver transplantation
劇症型ウィルソン病，生体肝移植