日大医学雑誌

尿中レジオネラ抗原により診断しアジスロマイシン投与により
救命し得た重症レジオネラ肺炎の 1 例

症例報告

著者

野田 彰浩  和泉  徹  吉田 省造  伊藤 暢厚
木下 浩作  丹正 勝久  細川 直登*
日本大学医学部救急医学講座
*日本大学医学部臨床検査医学講座

要旨

症例は 43 歳の男性,肺炎を発症し近医で原因菌を同定できずカルバペネム系抗生物質を投与されたが,重症化し当院へ転院した.ARDS を合併し人工呼吸管理下にアジスロマイシン投与の併用を開始した.尿中レジオネラ抗原により従来よりも迅速に確定診断に至ることができた.転院後 7 日には人工呼吸器を離脱し,転院後24 日目に独歩退院した.

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Severe Legionella pneumonia, ARDS, Azithromycin, urinary Legionella antigen
重症レジオネラ肺炎,急性呼吸窮迫 症候群,アジスロマイシン,尿中レジオネラ抗原