日大医学雑誌

Digital flat panel detector による新しい X 線血管撮影
―フルデジタル多目的心血管撮影装置 Innova 4100―

画像診断

著者

高橋元一郎  古橋  哲  石橋 直也  吉信  尚 
氷見 和久  福島 祥子  田中  宏*  船木 新壽** 
柴草 高一**
駿河台日本大学病院放射線科
*(現) 横須賀市立市民病院放射線科
**GE 横河メディカルシステム株式会社

はじめに

治療を目的とする血管造影 vascular interventional radiology(IVR) は,画像を見ながら治療を進めるので画像誘導下血管内治療 image guided endovascular treatment とも呼ばれる.従って,血管撮影装置に関しては,高画質であることが必須条件であるが,最近,特に被曝の低減を図ることが重要視されている.そのような背景で,低被曝と高画質の二つの条件を満たすものとしてデジタル平面検出器 digital flat panel detector(DFPD) をもつ血管撮影装置が登場してきた.平成 17年 1 月には,循環器専用の口径 20 ´ 20 cm の DFPD を持つInnova 2000 (GE) が導入されたが,今回は,平成 15 年 12 月から稼動している口径 41 ´ 41 cm の DFPD を搭載した多目的フルデジタル血管撮影装置 Innova 4100 (GE) (Fig. 1) を紹介する.