日大医学雑誌

血 管 内 エ コ ー 法

同窓会学術奨励賞受賞講演

著者

本  江  純  子
東京大学医学部附属病院循環器内科

要旨

虚血性心疾患の観血的診断法として,冠動脈造影 (coronaryangiography: CAG) が病変の重症度評価や治療方針決定におけるスタンダードとして用いられている.しかし CAG は血管内腔のシルエットを描出する lumenogramであり,血管壁における動脈硬化性病変自体を評価する事は不可能である.血管内超音波法 (intravascular ultrasound:IVUS) は,先端に高周波超音波探触子を血管内腔に挿入して血管壁の構築を直接観察する診断法であり,動脈硬化性病変の定量的・形態的評価が可能である.