日大医学雑誌

看護師への生命倫理教育の在り方

研究報告

著者

岡田 一義  東  克子1)  中村志保子1)  加藤由美子1)
安藤 智美1)  塩谷 善子1)  菅沼しづ子1)  工藤たみよ1)
川上 道江1)  一木 順子2)  山本 樹生3)  根岸 七雄4)
荒川 泰行5)  松本 紘一
日本大学医学部内科学講座腎臓内分泌内科部門
1)日本大学医学部附属板橋病院看護部門
2)日本大学医学部附属練馬光ケ丘病院看護部門
3)日本大学医学部産婦人科学講座
4)日本大学医学部外科学講座心臓血管外科部門
5)日本大学医学部内科学講座消化器肝臓内科部門

要旨

 医療の現場で果たす看護師の役割は重要であり,今回,我々は,看護師の生命倫理についての認識を調査した.  日本大学医学部附属板橋病院勤務の全看護師 (816 名)を対象に,無記名・自記式形式の意識調査を実施した.665 名から回答が得られ,回収率は 81.5%であった.約70%の看護師は,生命倫理についての知識がほとんどないが,生命倫理観の向上意欲は持っていた.しかし,90%以上の看護師は過去 1 年間に生命倫理に関する本を1 冊も読んでおらず,生命倫理に関する講演やセミナーなどにも 1 回も参加していなかった.  自己の生命倫理観をさらに向上させるために努力をしている看護師は少なく,生命倫理に興味を持てる教育方法を確立し,多くの指導者を育成する必要がある.

keyword

bioethics, postgraduate medical education, nurses
生命倫理,卒後教育,看護師