日大医学雑誌

病 院 機 能 評 価

総説

著者

寺  崎     仁
日本大学医学部社会医学講座医療管理学部門

要旨

わが国で,財団法人日本医療機能評価機構による「 病院機能評価」 が事業化されて,既に約 8 年が経過した.この 8 年間の病院機能評価受審病院数の推移を見ると(Fig. 1),事業開始当初の 2 年間は受審病院数が計画の約半分程度に留まるなど,わが国での第三者評価による病院認定の定着が危ぶまれたが,2004 年 10 月末の時点において,病院機能評価の受審を申請した病院の総計は2,321 病院となり,わが国の病院の総数 9,122 病院 (2003年現在) の 25.4%を占めるに至っている1).また,同年 11月 22 日現在では,認定証が発行された病院の数は既に1,446 病院にも上っており,これもわが国の病院全体の15.9%に達している2).このように,わが国でも病院の機能を第三者が評価するという活動が,医療関係者や国民の間におおむね受け入れられるようになってきたが,ここに至るまでの道程は決して平坦ではなかった.今,改めて,わが国の病院機能評価がたどってきた足跡を振り返りながら,日本医療機能評価機構による病院認定の仕組みを解説すると共に,先進諸国における病院機能評価を巡る最近の動向を考察してみたい.

keyword

hospital accreditation, health care quality, hospital function, JCQHC
病院機能評価,医療の質,病院機能,日本医療機能評価機構