日大医学雑誌

半月板損傷の MRI 画像
整形領域の患者を比較的多く診療することのある非整形外科医を対象として

画像診断

著者

洞口  敬  斎藤 明義  龍 順之助
日本大学医学部整形外科学講座

要旨

半月板損傷は,各年代に幅広く認められ,膝関節外傷のなかで最も多く見られる疾患のひとつである.小児においては,円板状半月板損傷.若年から青壮年においてはスポーツ外傷にて,中高年では変性も伴って日常生活動作から発症することが多い.また近年 MRI がその高い診断能や非侵襲性であることなどより,半月板損傷の診断に不可欠な検査となっている1).この雑誌は,整形外科や膝の専門書でも MRI の専門書でもないため,本稿においては,主に整形外科専門医ではないが,整形領域の患者を比較的多く治療することのある医師を対象とし内容を構成した.その形態と読影のポイントと初期治療の方向性などを自験例を踏まえて解説する.なお,整形外科専門医 (専門医を目指す未専門医を含む) に対しては内容が足りないと思われるが,専門性を高めると前述の先生方には不向きとなると思われるため御容赦いただきたい.